【詳細レポート】俳優・山田孝之さんによる“個性を活かす役作りを親子で探究する”ワークショップを実施しました!

2020.11.13

「親子への演出という画は面白いし、子役に最も伝えたいことではないか」という発案から内容が決まった、今回のA芸特別ワークショップ。演技参加する生徒たちは、山田孝之さんとの“共演”を前に、Zoom画面越しにも一様に緊張と興奮が入り混じった様子です。また、お父様やお母様のなかには山田孝之さんのファンという方もおり、これまたワクワク感を滲ませます。

即興の台本は、「先生と生徒」のシーンが使われました。まず1番手として愛知在住のゆづきさん(11)がお父様と参加。「父と娘」とは大きく異なる「先生と生徒」の関係を演じるとあって、それぞれ最初は恥ずかしさやカタさを隠せない様子でした。山田さんは「先生のことが大嫌いだと思って話をしてみよう」と演出を加え、少しずつ「良い子のお芝居」を崩そうとします。「台本はただのヒント。色々なパターンの気持ちの変化を考えて、演技を変えていいし、それを楽しんでいいんです」と語りかけていました。

つづいて大阪から参加の竹内大騎さん(9)はお母様と実践。大騎さんに対し、山田さんは「そういうやり方もある」「なるほど、そこで表現したのか」と、1つ1つのチャレンジを認めます。さらに、「喋りたくなかったら、目をみたりしないんだよね」と、あくまで例だと断わりつつ、表現方法をアドバイス。「お芝居しているとバレないこと、本当にこういう人なんだと信じてもらうことが一番重要。『お芝居しない』と考えたほうがいいかもしれないよ、お友達とふだん喋るようにね」と締めました。

 

最後に登場したのは、関西在住のゆいさん(11)とお母様。自然さを伝える演出の流れで、「母と娘」「ヘアゴムを探す」など、さらに日常に近い設定・セリフへ変更。「日頃、そんなに難しく考えて生きてないと思います。自然体が一番いいですよ」の言葉に、母娘とも大きく頷き、伝わっている様子でした。

Q&Aでは、子供ならではの真っ直ぐな質問だからこそ、山田さんも呼応して、普段は聞くことのできない回答が次々と出てきます。「アドリブが上手くなるには?」に対しては、「僕もアドリブは全然きかないんですよね」と答えつつ、こう続けました。「ただ、しっかりと役になって、本番のカメラの前に立っていれば、何を言われてもそのキャラクターの受け答えが出てくるので、それが結果的にアドリブになります」。「役を愛して、役を信じる」。

  「オーディションに受かるコツは?」と多くの生徒が気になる質問を投げかけられると、「……コツなんかないんです笑 落ちたとしても、たまたま合わなかっただけ。その上でコツというと、自分らしさ、本当の人間性を出してほしいと思います」。「緊張するのは自信が足りないから、練習あるのみ」「とにかく台本をよむ、ト書きにヒントがある」との言葉に、生徒たちも勇気づけられました。「台本を覚えるには、まるまる書き写してみる方法がありますね」、「ICレコーダーを使って自分で相手の声を吹込み、掛け合いの練習ができる」などすぐに役立つ方法の紹介も。終了が迫るなか最後に1個だけ、と答えた質問は、「憑依系の役者さんですか?」。山田さんは「僕は憑依系なんて存在しないと思います。特別なことじゃない。みんな芝居をしている」との答えを残しました。

今回「親子参加」にした理由として、「恥ずかしさをいかに無くすか」へのチャレンジだと山田さんは話しました。「お芝居する上で、架空のキャラクターを作って、信じ込んで演じるということや、人に見られているということには、恥ずかしさが付き物です。親とお芝居のことを話し、キャラクターを作ってちょっと演じる時間が出来れば、恥が無くなって、他の人とも芝居がやりやすくなる近道になるのではないかって」(山田さん)。子役としての成長に最も大事なことは親子でのコミュニケーションにあるという気づきをもたらす濃密な3時間となりました。

▼参加した生徒・保護者の声

  • 選ばれてレッスンを受けて、存分に楽しめて良かったです。台本の演技の的確に指導を受けられて楽しかったです。いろんなパターンで練習しないといけないということがわかりました。いま活躍している方からアドバイスを受けられるのは幸せでした。(竹内大騎、9歳、大阪在住)
  • 役を作らないといけないけど、この子がやるとオーバーリアクションになっちゃうので課題だなと思いました。1つのセリフでキャラクターを変えて練習するということは、ためになりました。(竹内大騎 お母様)
  • 楽しかったです。勉強になりました。お父さんが横にいると緊張するし、やりにくかった(苦笑) 自然に演技をすることというのを教えてもらったから今後活かしていきたいです。山田さんの印象は、ゾッキの撮影で会った時と変わらなかった。(ゆづき、11歳、愛知在住)
  • 楽しかったし、勉強になりました。年齢が上がるごとに自分で練習することが多かったけど、これからはA芸のレッスンも親子で一緒にやっていこうかなと思いました。(ゆい お母様)
  • 山田さんは、丁寧に良かったところ、悪かったところを言ってくれました。一つ一つ言葉も丁寧で考えて話してくださっているなというのが伝わってきたので、すごくよかったです。演技を難しく考えすぎないようにして楽しくお芝居をやりたいと思いました。(ゆい、11歳、関西在住)

最後はギャラリー参加の生徒たちも顔を出して、御礼を伝えA芸ポーズ。
山田孝之さん、ありがとうございました!

 

特別講師プロフィール:山田孝之さん(スターダストプロモーション所属)

1983年、鹿児島県出身。99年に俳優デビューし、2003年に『WATER BOYS』(CX)でドラマ初主演。主演をつとめた映画『電車男』(05)は社会現象にもなった。主な出演作は『クローズZERO』シリーズ(07-09)『闇金ウシジマくん』シリーズ(12-16)『凶悪』(13)『映画 山田孝之3D』(17)、自身のドキュメンタリー『No Pain, No Gain』(19)など。2019年には主演ドラマ『全裸監督』(Netflix)が全世界に配信され人気を博す。また、映画『デイアンドナイト』(19)ではプロデュース、ドラマ『聖おにいさん』(NHK)では製作総指揮をつとめるなど、その活動は多岐にわたる。

公式サイト:https://www.stardust.co.jp/section1/profile/yamadatakayuki.html

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