3/31(水)、第一回目となるA芸発表会を開催しました。レッスン講師も務める映画監督の指導のもと、約2ヶ月間にわたり、生徒は完全リモートでのショートムービーの撮影・制作に挑戦。その合計4作品を映画館の大きなスクリーンで上映し、生徒やその家族はもちろん、ご友人なども招いて皆で観賞しました。
会場はイオンシネマ港北ニュータウン(神奈川県)とイオンシネマ茨木(大阪府)の2箇所。A芸の生徒は全国各地に散らばっているため、自分の行きやすい方を選んでそれぞれ集合しました。
以下では、撮影・制作の様子や発表会当日の模様をお伝えします。
撮影・制作
今回制作した全4作品は、監督、脚本、制作過程もすべてバラバラ。どれも各監督のこだわりが随所に散りばめられ、それぞれ全く違う、魅力的な作品が揃いました。
宇宙会議(松本卓也監督)
「異なる惑星に住む宇宙人たちが会議を開き、地球を滅ぼすかどうかの決定を下す」という物語。
この作品では、出演生徒も交えて全員での台本制作に取り組みました。生徒一人ひとりが宇宙人の役を演じますが、「宇宙人はいるかいないか」「どんな宇宙人になりたいか」「など、シナリオの中核となる情報を、生徒自身と監督が相談しながら作り上げ、最終的にそれを松本監督に一つの脚本としてまとめ上げていただきました。
松本監督からの「皆さんが脚本を飛び越えて付け足してくれたキャラクターが、とても面白い具合に仕上がりました」という言葉どおり、衣装やメイクも基本的には生徒自身が決め、思い思いの格好で表現し、映像も内容もユニークな魅力でいっぱいの作品となりました。
鏡ヨ鏡(菱沼康介監督)
おとぎ話で出てくる「鏡」をモチーフに、生徒の一人芝居を組み合わせたシナリオの作品。
菱沼監督から出演生徒一人ひとりに対して「どんな芝居がやりたいのか」など、個別のアンケートや面談を実施し、その上で配役を決めていきました。今回の撮影者は、なんと各生徒の保護者。個別にスマホで撮るという、全4作のなかで唯一の方法でした。制作を終えて菱沼監督がおっしゃった「ご家族の方には一生懸命撮っていただき、僕も『こういう風になるのか!』と驚きがたくさんありました。」という言葉からは、全員が大変な試行錯誤を経て作り上げたことが伺えます。
幾度にもわたり台本をブラッシュアップしたり、映像効果にもこだわったりなど、他の作品とは一味違う作品となりました。
イキモノガカリ(ササハラハヤト監督)
「学校のクラスで飼う生き物を決めるために生き物係のメンバーたちがリモート会議を開くが、話し合いが進むなかで、次第に議題が『命の大切さ』になっていく」という物語。
劇中では、出演者全員が自分の好きな動物をするプレゼンテーションするシーンがありますが、そこでのセリフは、実は生徒自身が考えたもの。なぜこの動物が好きなのか、動物の魅力を自分で考え、アドリブで芝居をしました。
今回、先生役として女優 下京慶子さんにもご出演いただきました。「下京さんとのかけあいは本番ぶっつけだったのに、皆緊張せず打ち解けていたので、そこはすごいなと思いました」と、ササハラ監督から出演生徒への評価も高かったよう。
Mystery Online(矢崎隼人監督)
「ミステリーサロン入会希望者たちが、最終試験としてある事件を推理することに。容疑者たちは、事件当時のアリバイを証明しようとするものの、意外な真相が明らかになる」という物語。
見どころは、作品終盤の物語の真実が明かされる場面。PCカメラが映している方向が実は事件の鍵となっているという、Zoomでの撮影ならではの仕掛けが使われています。
出演者は11歳以上で、お芝居のレベルも高く、矢崎監督からは「非常に難しい台本をよくこなしていただいたと思います。対面の芝居とは違って、目線をどこにやるのかなど工夫が必要ですが、楽しんでいただけたかと思います。」との言葉もいただき、観ている人にも「さすが!」と言わしめる作品となりました。
発表会当日
当日。この日は生徒がはじめて一同に集まる機会ということもあり、スタッフも緊張気味。コロナウイルス対策として「シアター内ではしゃべらない」というルールのもと、万全の体制でのぞみました。
午前10時、入場開始とともに生徒が続々と集まってきます。シアターの入場口では、生徒一人ひとり全員に、プレゼントが手渡されました。A芸講師の方々からコメントや、半年の成果が詰まった「振り返りシート」、オリジナルグッズなど、制作に大変な試行錯誤を要したものの、それらを見て笑顔になる生徒たちに、スタッフたちも報われた気持ちになりました。
スタッフからの挨拶を合図にいよいよ上映がスタートしました。開始直後、いつもの映画観賞さながらに観賞マナーの映像が流れますが、なんとこれはA芸の映像制作陣による完全オリジナル。細部まで綿密に仕上げています。
本編は、ショートムービー全4作品だけでなく、冒頭でA芸特別講師を務めた山田孝之さん、阿部進之介さん、榊原有佑監督などから生徒へのスペシャルなメッセージ映像が流れるなど盛りだくさんな内容でした。上映中はもちろん皆静かに観ていますが、大きなスクリーンに映る自分の姿を見つめる目は真剣そのもの。
作品上映後は、2021年前期の特別講師の第一弾として、上田慎一郎監督(映画『カメラを止めるな』)の発表とともに、同監督によるショートムービー『ヘタクソで上手な絵』を上映。そして最後には、この半年の思い出映像も。生徒のみならずスタッフたちもこの半年の試行錯誤に思いをめぐらせました。そうして約100分にわたる上映会は、大拍手で終了しました。
日中の上映会を踏まえて、夜には振り返り・打ち上げイベントもオンラインで開催。「映画業界では作品制作の最後に乾杯をします。今日、お水とジュースで乾杯した皆さんはもう業界の一員ですね!」というA芸プロデューサーの伊藤主税からのコメントに、生徒たちもの表情も満足げです。
またイベント中、作品を観賞した生徒自身やご家族、友人などの投票により選出した作品賞の発表を行いました。ここでは単なる多数決ではなく、賞賛・批判含め、どれだけ多様な意見を集めたかどうかで決める「多様決」を採用。映画祭さながらのプログラムでA芸初の発表会は閉幕しました。
保護者・関係者の声
[参加した保護者の声]
■発表会のショートムービーが、演技レッスンでの努力の成果が親戚にみてもらえてよかったです。みんなよかったと高評価でした。
■練習中や撮影中はお手伝いで見ていましたが、実際大きなスクリーンで完成した作品をみて細かな表情などしっかりみることができたので良かったです。
■いつも利用している映画館で行くのが慣れている土地なのでありがたかったです。会いたかったA芸生と挨拶したり、監督にも直接ご挨拶できたのも嬉しかったです。他のクラスの作品もとても面白くてあっという間に時間が過ぎてしまいました。
今後の自信につながってくれればいいと思います。
[監督、事務所関係者の声]
■子どもたちのなかで、大人が演技指導するというとても不思議な状況のなか、想像がつかない化学反応のようなものが起きます。それを映画の奇跡などと表現することがありますが、映画の奇跡があるから、私たちはいくつになっても映画を辞めないのだと思います。(ササハラハヤト監督)
■4作品が年齢や能力に合わせた内容になっていて、それぞれ楽しませて頂きました。社内でも今回の作品を共有しつつ、オーディションを積極的に受けさせていくかどうかなど、今後の活動の幅に関して打合せなど持ちたいと思っております。(40代 事務所関係者)
2021年前期は、新入生も増えどんな発表会になるのか、今から楽しみです!
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